2011年6月14日火曜日

被災者の方たちと基金訓練

東日本大震災から3か月が経ちました。もしかしたら、僕らの心性として、3か月をある種の振りかえりの時期と捕えるところがあるかもしれません。


懸念があるとすれば、あの震災が残した課題が徐々にフェイドアウトすることです。

現在、札幌市に居を移した被災者の方々は自主避難者を含め、800人以上になります。まずは公営住宅や身寄りの家に身を寄せて、徐々に落ち着いたところで課題になるのが収入を得るための仕事です。それがなかなか見つからないとの話は報道もされています。

今回は福島の原発事故という特殊な事情もあり、札幌を中心に10代以下の子と30代の移転者が多い。すなわち、幼児とその親の自主避難の可能性ですね。

これはある程度、長期戦になりますから、収入を得るための仕事探しの問題が出てきますが、震災以前より、札幌の求人はなかなか厳しい。バイトニュースなどでの不安定雇用も如何なものかと個人的には思います。とはいえ、ご本人たちにとって、完全移住をも考える長期滞在か、あるいは帰郷を前提にするのかは悩みどころでしょう。

そこで、被災者の方に個人的にお勧めしたいのは厚労省が第二のセーフティネットとして幅広く失業対策として進めている「基金訓練」です。多少条件はつきますが、生活支援給付金(単身者:10万円、被扶養者有り:12万円)を受給しながら職業訓練を受ける。その時間勉強をしながら新たなチャレンジの準備期間と出来るのではないかと。

公営住宅等に住みつつ、なかなか決まらない仕事を探すよりも、現状訓練校を受験する方がハードルは低いのではないでしょうか。ハローワークの職業訓練相談窓口で聞けば、希望する学校に定員に対してどれだけ受講希望者がいるのかもおおむね分かります。

訓練期間はおおむね3カ月から6カ月。中には農業系のコースでは1年間のものもあります。農業系も都市型農業で、都心部から通える地域で講座はあります。

分野は主にIT基礎、WEB製作、医療事務、ホームヘルパー、そして農業分野など。なかにはかなり専門的なコースもありますので、学びたい方向性が明確な人はそういうコースを考えるのもアリでしょう。(その分、競争率は高そうですが)。

現在の募集はこのリンクの通り。

わかりやすい基金訓練についての解説

お知り合いの人にもし、被災避難先で生活する人で仕事探しで困難を抱えている人がいれば、どうかこのような方法もあると情報をお伝えください。

PS
その後ハローワークで確認したところ、世帯主に対して給付金が支給されるこの制度を利用する前に、雇用保険(失業保険)を受給している世帯主が多いのではないかとの話。また、雇用保険受給者の場合にはまず「公共職業訓練」が優先的に紹介されるようです。
また、世帯主が例えば被災地で仕事を続け、奥さんと子どもが自主避難のケースの場合もあります。

しかし、失業保険の認定を受けられない人はハローワークに求人登録に行かないことも考えられるし、求人登録しても、基金訓練のアドバイスを受けるのに敷居が高いケースも考えられます。公共職業訓練も定員がありますから、その選抜試験で落ちる場合もあるでしょう。そのような試験を受けた後、基金訓練を案内されることもいまのところ余り聞かないようです。

情報に貪欲な人と、その逆に何となく遠慮を感じている人もある筈。
個人的にはいろいろなサービスにアクセスし、長期滞在にせよ、いずれの日にかの帰郷にせよ、地元でなくとも安心した市民生活を送る基盤を、生意気な書き方ですが、築いて欲しい。なにもない公営住宅から生活のための物資が入って一息ついた後に出るのはやはり収入と、日々のやりがいや生き甲斐でしょうから。

理想を言えば、ハローワーク内においても、職業紹介と職業訓練を上手くつないでほしいものではあります。
勿論、基金訓練の本旨は経済的に苦しい人が勉強して仕事につながることですから、生活支援給付金目当てで殺到するのは問題があります。
その意味で、8割の出席と、学ぶことに対する真面目さが筋目だと思います。
しかし、同時に学びも生きがいの一つになると思いますし、そこで友人が出来ることもあるのではないか?それが意味あることにつながるのではないかとも思うのです。

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