2010年7月5日月曜日

じたばた訓練日誌-新しい公共と新しい働きのあり方を模索しつつ-

 4月から受講を始めた基金訓練のOAビジネス科から6月にNPOなどの社会的事業に就業するためのインターンシップつき訓練に転校して7月に入り、いよいよ受講期間も終着点まで来ました。

 最初はNPOとは何か?NPOの理念とは?あるいはソーシャルビジネス、コミュニティビジネスとは何か?という概論的なものを学び、その後実際にNPO団体で2週間のインターンシップを行い、現在は実際にNPOを運営している各種団体の理事長から運営の実態と実情を伺いながら具体的なイメージを膨らませる作業を行っています。それに加えてオフィスPCの使い方や労働社会保険について。簿記、会計帳簿の読み方や税務など、NPOの管理運営の具体的な方法を学びます。これらが6週間の学習期間における全体的な内容でした。

 ここへ至る前のパソコンスクールで学んだことは訓練の方法に過去の蓄積がありますし、就業に向けたオフィスソフトの検定合格を目標とし、履歴書を書けて面接技法を学ぶという具体性があり、それなり大変ではあっても、就業に向けた目標のために得るスキルが具体的で、受動的な目標設定を設けた勉強のしがいはありましたが、今の学びはその点を比べれば大学の講義を受けるような感覚であり、自分の関心にあった分野を学ぶという「自由の感覚」と同時に、就業への具体的なイメージにおいては、今ひとつ明確にならない難しさがあるのも確かです。今回初めて始まった「新しい公共」のための就業訓練は端的に言ってまだ主催者も受講生も手探りの面があったと云えるかも知れません。しかし私にとっては元々関心が強かった領域であったので、NPOという、大きな力ではないにせよ「社会問題解決に結びつく仕事」に日々動機づけられてきたという点では、意義深い日々を過ごす喜びがありました。同時に受講後のかたちがNPOという存在がまだ収益事業として難しい分野であるがゆえに、その分野で働くことを目指すその意味を自分に問い続けながら、自分の頭で探り、考え続けなければいけません。自分が持っていた問題意識はけして孤立した考えではなかったという一種の安心感があるとともに、まだまだマイナーな「新しい公共」に携わる仕事の領域で経済的な自立は得られるだろうか?という「折り合い」の問題は心の中に常にあるものであり、いろいろと難しい課題があるのもまた事実だと思います。

 そのようなことを考えつつも、率直に言えば私の頭の中ではいつもこの3月にNPO法人化を果たした「レターポストフレンド」をイメージしながら各種の話を聞いていたのも本音です。やはり具体性のある何かをイメージしないと聴講の動機を強く組みにくいものです。今後、もしも学んだことを同団体に生かせる機会があれば大変うれしい事でしょうね。学ぶ仲間も社会的な関心の高さの点では一致するのでどこか同胞意識が感じられ、一般的な就業訓練より面白いのは確かです。

 年内に同様の6週間訓練が今後も3回に渡って行われます。関心のある人はぜひ受講されてみたらいかがでしょうか。ただ、鳩山首相が退陣した後、めっきり「新しい公共」という言葉が聞こえなくなりました。官も民もそれぞれの理由で対応できないニーズが地域や社会に膨大に広がっているのですから、今後の内閣もこの旗を下ろさず、むしろより推進する方向で進んで欲しいと切に願うところです。

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