2010年2月3日水曜日

面接本

 話の続きですけど、いわゆる就活本っていうのが巷に溢れていますね。おじさんは苦手なんですよ、この種の世界が。最近は「婚活」ナル言葉まで登場して、もうなんじゃらほい、って思いますよ。こんなおじさんでも「世の中どうなっちゃってんの?」とね。
 全部がビジネスなんですね。就活ビジネス、婚活ビジネス。
 おじさんが就職活動本で特に「面接の受け方」みたいな本に抵抗感があるのは、そういうことがマニュアル化すること自体にありますね。企業の採用担当者だって、溢れるマニュアル本を見て考え込んでしまうんじゃないでしょうか。

 でもおじさんも面接があると分かったあと思わず古本屋さんに行きました。人間って悲しい性ですね(苦笑)。何故って、おじさんがたま~に行く「ブック・オフ」さんには面接の受け方とか、「エントリー・シートの書き方」とか全部人山105円で売っているんですよ。他にも公務員試験だの、各種資格試験だのも全部同じ値段ですから、いろいろ勉強したい人間には便利ですよね。

 面接本とかエントリーシートとかの本は結局は「前向きな自分を売り込む」「こんだけやっている自分を売り込む」みたいな。
 事業仕分けが一頃話題になった時期、確か仕分け人の枝野議員が「深堀り」という言葉を使っていたと思いますが、微に入り細に入り「ポジティヴな自分」を深堀りするような世界。そのイメージは確かに基調としてはあるんですよね。

 でもちょっとおじさんなりにこの種の本に意味を見出してみました。その点で言えば、自分自身を分析してみよう、という視点はいいですね。日常はどうしても意識せずに過ぎていきます。自分自身にとってみればなんて事のない日々の移ろいで、そこに何も目新しさもドラマも感じない。行き着くところ、「退屈だあ~」という人も少なからず居るかもしれませんが、そして長期失業者のおじさんも目的感喪失状態だと同じような気分になりますが。

 あえてなんてことない日々を深く掘ってみる。自分の目標が見えない日々も自分らしさ、長所も短所も当たり前の行為の中にあるかもしれない。
 過去の記憶に「何もアピールすることなんてない」という思いも良く考えてみれば、「それなりのものがありますよ」っていうこともあるかもしれない。

 やはり人間はそれぞれ個性的な存在ですから、自分自身も個性的な存在の一人として退いてみたらそれなりのものがあった、と認めてもいいことがあるんじゃないかな。
 歳をとって少し図々しくなってきたおじさんはそう思いなおすことにしました。

 まあでも、若い人が余り鼻息を荒くして「こんなことも、あんなことも頑張ってきました」という感覚はちょっと、どうかと思うなぁ。むしろ、「これから幸いにも自分の人生が始まります」程度が若者らしさでもあるんじゃないかな。それから、矛盾するみたいだけど、この種の本の乱立に「ちょっとおかしいんじゃない?」くらいの疑問を持つほうが若者として大事だと思う。やっぱり若者はどこか革新的じゃなくちゃ。

 中年になると自然に人間は保守的になりますから(笑)。大変化の時代に若者が保守的だと大変ですよ。就職も含めた教育機関はその辺をひとつ真剣に考えて欲しいところです。

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